アートセラピーとは

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アートセラピー(クリエィティブ・アーツ・セラピー)とは、主に欧米の精神医療の中で研究された、心のケアに役立つ心理療法です。心理的な病を持った人や、様々な障害を持つ方の治療に役立ちます。また、治療を目的としたものばかりではなく、健康な人の悩みや苦しみを癒し自己成長や自分らしさを取り戻すことにも役立ちます。

クエストでは次の講座でじっくりと学べ資格取得が目指せます。
1. 専門家(アートセラピスト)が扱う治療効果を高めるためのアートセラピー(JIPATT)
2. 私たちの生活の中に応用することによって癒し効果を得るセラピューティックなアート(アートワークセラピー講座)

アートセラピーとは

「アートは人類の最も偉大な発明だ」という人がいます。

何故なら、言葉として表現できない心の世界(抽象的な概念)を、目に見えるかたちにして現実世界にあらわす(具体的な形を与える)もの……それがアートだからです。

アートセラピーは、アート表現の「見えない心にかたちを与える力」を利用します。

その力は、私たちの心身の健康を回復させるだけでなく、健康な人をより健康にする(成長する)ことを可能にした心理療法の一技法です。

絵の具やクレヨン、また粘土や羊毛、時には自然素材を使いながら、思いのままに自分自身を表現することで、解放されたり、整理されたり、自分でも気付かなかった「本当の自分」に出会うことになります。

「アート」と言っても、何も特別なものではありません。絵のうまい・へたなどは一切関係なく、ありのままに表現するという行為そのものが大切なのです。手や目や脳の感覚を刺激することにより、鈍った五感を活性化する効果も期待できます。

アートセラピーの効果

アートセラピーでは、「自分でも気付かなかった自分」に出会うことができます。自分の不安・哀しみ・寂しさ・喜び・楽しさなどをしっかりと把握すること(自己分析)は精神の安定にとって非常に重要で、セラピー・カウンセリングにおいて欠かすことのできない要素です。そしてアートセラピーでは、そのほかにも次のような効果が期待できます。

●感情の解放~カタルシス

 img6描画や造形で思いのままに表現することで、心の中に抑圧されていた感情が、外の世界へと発散されていきます。

言葉では表現しきれない想い、自分でも気付いていなかった気持ち……そういったものが解き放たれるとき、あなたの意識は目覚め、あるいはスーっと気持ちが楽になっていく。

いわば、心理的な浄化(カタルシス)へとつながっていくのです。こうした経験は、私たちの創造性を呼び起こすきっかけになるのです。

●葛藤や混乱した思考の整理

毎日の仕事、人間関係は複雑化して、日々多様な変化を求められ、私たちは精神的にストレスを抱え、ますます、自分が何をしたいのか、どこに向かいたいのがわからなくなることがあります。

そういった時に、記号や絵を使い、自分や自分の周りを可視化することにより、全体像がわかりやすくなります。

葛藤や混乱した思考が整理されるのです。

●自尊感情を高める

大まかに言って、右脳は感情を司り、左脳は論理を司っています。
現代社会はどちらかというと左脳優位です。
理詰めで責め立てるのは、左脳のお仕事です。左脳は否定脳とも言われています。

夜くらいリラックスしたいところですが、左脳が活性化するばかりでは、眠りも浅いだけでなく、自尊感情が低くなる一方です。

アートは右脳を活性化します。心をリラックスさせる脳です。右脳をもっと使い、心のバランスをとれると、日常に余裕がうまれます。

●好奇心 意欲の回復 リカバリーimg3

柔らかな筆感のクレヨン、ザラついた切り絵紙、ムニムニと柔らかい粘土など、さまざまな素材に直接触れ、指先を通してさまざまな刺激を受けることは、私たちの無意識にも心地よい影響を及ぼします。

幼いころの無邪気な心や好奇心を呼び起こし、自己回復への呼び水となるのです。このことからアートセラピーは「素材のセラピー」とも言われており、精神医学や老人介護などの現場にも用いられる理由です。

アートセラピーの一例「幸せ」「喜び」

下の絵はあるセラピーの時間に「幸せ」「喜び」を表現してもらった一例です。

みなさんもぜひオイルパステルや色えんぴつなどで描いてみてくださいね。

花火のように外へ外へと広がっていきます。その喜びを自分ひとりで味わうのではなく、周りにも広げていくかのようです。

花火のように外へ外へと広がっていきます。その喜びを自分ひとりで味わうのではなく、周りにも広げていくかのようです。

じわじわとあふれていく喜びのようです。穏やかな至福の状態にも見えます。次第にそのやわらかい広がりがまわりに伝わっていくようです。

じわじわとあふれていく喜びのようです。穏やかな至福の状態にも見えます。次第にそのやわらかい広がりがまわりに伝わっていくようです。

私は今こんなにうれしい!と自分で喜びをたっぷりと味わっているようです。中央にある目と大きな口がその喜びの大きさを表現していますね。

私は今こんなにうれしい!と自分で喜びをたっぷりと味わっているようです。中央にある目と大きな口がその喜びの大きさを表現していますね。

じわじわとあふれていく喜びのようです。穏やかな至福の状態にも見えます。次第にそのやわらかい広がりがまわりに伝わっていくようです。

じわじわとあふれていく喜びのようです。穏やかな至福の状態にも見えます。次第にそのやわらかい広がりがまわりに伝わっていくようです。

周りがどうであれ、自分の幸せや喜びをたっぷりと味わっている様子。自分が喜びにあふれてさえいれば、その存在は周りから見てもはっきり分かりますからね。

周りがどうであれ、自分の幸せや喜びをたっぷりと味わっている様子。自分が喜びにあふれてさえいれば、その存在は周りから見てもはっきり分かりますからね。

小さな花びらがちりばめられていく様子。同じモチーフの連続は、喜びの大きさを表現しています。シャボン玉のように次々に生まれてくかのようです。

小さな花びらがちりばめられていく様子。同じモチーフの連続は、喜びの大きさを表現しています。シャボン玉のように次々に生まれてくかのようです。

今回はテーマのあるものですが、テーマのないのもあります。

いずれにしてもアート表現は、目に見えないものを自分の内側から表現し、それを目で見ることができるようになります。

その作品への評価は一切ありません。視覚化されることは私たちの心の安定にたいへん役立ち、だからこそ癒しが訪れます。

大切なのは、あなた自身が描いた絵を、しっかりと見つめること。思いのままに描いたその絵に、あなたの心がどのように反映されているのか。じっくり絵と対話することが自分の理解につながり、心の平穏や自信を導いてくれるでしょう。

自分だけで解釈しきれない、もっと深く知りたい、という方は、アートセラピストとの時間を設けてもよいでしょう。アートセラピストは意図的にアート表現を使う、観る専門のトレーニングを受けています。


2017春説明会

説明会トップ2


 

アートセラピーの表現媒体

一般的なアートセラピーは、描画、造形、コラージュ、塑像、ペインティングなどを表現媒体に使用しますが、時には、詩や物語、音楽、ダンス、ドラマなどを使う事で、効果が発揮されることもあります。

完成した作品には本人がこれまで気付かなかったような深層心理や自己表現が反映されます。

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それを読み解いてカウンセリングに役立てるとともに、内面にこもりがちな感情・想いを解放することで、生きる勇気や楽しみを回復させます。

「自分」という存在への理解が深まることで、確たる「自分」を形づくっていけるのです。img4

アートセラピー技法を学ぶ
「アートワークセラピー講座」「アートセラピー・ファシリテータートレーニングコース」においても、このようなセラピーの実践を交えながら、心理学やカウンセリング技法を伝えていきます。


「アートカウンセリング」という考え方

個人カウンセリング2アートカウンセリングは、絵や造形などによるアート表現を使ったカウンセリングです。その目的は、悩みを解消にむかわせることであったり、自分の考えを整理したり、人生の方向を見定めることであったり、「自分」というものを知ることであったり……。

言葉を使わない「アート表現」だからこそ、自分を縛っている理屈や習慣、思い込みから自由になり、新しい「もののとらえ方」や「考え方・行動力」を得ることができます。老若男女、あらゆる世代の方々が能動的に、夢中になって取り組んでくれるのもアートカウンセリングの魅力です。

  • 自然に気持ちが伝わる
  • 言葉は建前に傾きやすい。アートはそういった善悪とか、因果関係からクライアントを解放し、メタファー、比喩で伝えることができる
  • 見えない心(思いや感覚)を形に表現することで、対話が可能になる
  • 問題や悩みを変容させることができる
  • アート表現を媒介とすると、クライアントの心の過程がアートに現れるので、セラピストとクライアントとの関係が安定する。


アートカウンセリングでは、評価は一切しません。ですから、絵が苦手な方も安心して受けることができます。時には描画ではなく、粘土や写真、木片など他の画材を使う場合もあります。たった一本の線で表現した抽象画であったとしてもそこにはあなたのこころが表れています。アートセラピストは出来る限り、あなたが安心して自由に表現できる場を設けますのでご安心ください。

アートカウンセリングを行うには?
アートカウンセリングを行うには、アートセラピストとしての知識・テクニックが必要です。クエストではアートワークセラピー講座国際資格講座で学ぶことが出来ます。
また体験をしてみたい方は、お試しカウンセリングがありますので、お気軽にお申込みください。
*医療機関ではありませんので、治療を目的としておりません。あらかじめご了承下さい。

アートセラピーの歴史

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アートセラピーの概念は20世紀なかごろ、アメリカの精神分析家マーガレット・ナウムブルクによって生み出されたと言われています。

ナウムブルグは「芸術表現」と「精神医学」がともに「心に働きかける力」を持っていることに注目し、アートが子供や精神病患者にどのように影響するのかを研究し、多数の書籍も出版しました。

彼女自身が「アートセラピー」という言葉を考案したわけではありませんが、アートセラピーの本質的なパイオニアと言えるでしょう。その後、エディス・クレーマー博士が大学院レベルの学びに発展させました。

「アートセラピー」という言葉を初めて用いたのは、ナウムブルクと同時期にイギリスで結核患者のためのサナトリウムでアートを教えていたエイドリアン・ヒルとされています。

そのエイドリアン・ヒルのもとで働いていたエドワード・アダムソンが1946年にロンドンの精神病院でオープンスタジオ形式のアートセラピーを開催し、以降そのスタイルは多くの精神病院で行われることになりました。

アートセラピーの成り立ちにはそのほかにもいろいろな説がありますが、精神に働きかけることが目的の一つであったことは違いがないようです。

また、「アートセラピー」という言葉自体は新しくても、芸術活動を通して心を癒していく作業が古代から世界中で行われてきたことは疑いようもありません

ユングとアートセラピー

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これら芸術療法の根拠となる考えを示したのが、19世紀の精神分析医カール・グスタフ・ユング博士です。

「人間の芸術表現という行為が、混乱をきたした精神の治療に役立つ」こと、また、それを自ら経験しながら、「想像と創造性からなる芸術表現が、人間の精神の統合(個人の精神的成長)に重大な働きを果たすこと」を発見しました。

ユングは、芸術表現が人間の精神の安定にとって大切な働きを果たすことを再発見したとも言えるのです.

 

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