柴崎 嘉寿隆ブログ「自分セラピー」

広野町長の訪問

クエストが支援している、NPO法人 子ども未来研究所。

子どもたちの心身の健康と成長、心の予防教育を目指し、
アートワークセラピーを通して社会貢献活動をしている。
主な活動は、こちらのHPでご覧いただけますが、
2011年からは福島県双葉郡広野町の子どもたちとの縁が深くなっています。

東日本大震災後に、始まった「いもにあーとプロジェクト」は、
その活動を今年の春にいったん終了しました。
広野町は、福島原発30キロ圏内の町。
町民全員が地元をはなれました。
このプロジェクトの中心は、クエストの卒業生、村松沙織さん.
彼女がいなければ、このプロジェクトはなかったし、
彼女の熱い思いと信念が、今も私たちと広野町の絆を創りだしているのです。
この話はまた別の機会に。

2014年からは、ニューヨーク在住のアーティストである、
平川典俊さんの主宰する「TODAY IS THE DAY」の、
被災児童の心と体の健康を保養するためのアートプロジェクトの
日本事務局としての仕事も加わりました。

夏休みに広野町の小学生をシンガポールに連れていき、
現地でアートセラピーの体験をしていく、画期的な保養プログラムです。

今年で3年目。
毎年参加児童が増え、今年は20名。
主なスポンサーはシンガポールの赤十字社。
さらに、現地のラサールアートカレッジのアートセラピー学部の
ロン教授と大学院生や、多くのプロのアーティストたちが、
毎日のようにアートワークをしていく。
ホームステイ先のご家族や、その他のボランティアを数えると
50名以上がかかわっている大きなプロジェクトになりました。

子ども未来研究所は、同行するセラピストの募集や、
広野町での年間を通してアートワークでのフォローアップ、
その他の事務的な事の一切を担当しています。。

その広野町の遠藤智町長から連絡があり、3年もの間の継続支援に
対してのお礼を、とわざわざ訪問されました。
ばらばらになってしまった5000人の町民は、5年をかけてようやく2000人を
超えたところ。
この地域一帯の双葉郡は、これから本格的に町づくり(復興)が始まるとのこと。
その忙しい合間にわざわざ足を運んでいただき、かえって恐縮してしまいました。
私は被災者ではありませんから、故郷を離れなければならなくなった被災者の、
本当の痛みはわからない。
だからこそ、精いっぱいの支援をさせていただけるご縁に感謝あるのみです。
町長1

与えることと、受け取ることは、決して上下関係ではありません。
与えているつもりでも、私たちが受け取ることの方が圧倒的に多いのが、
ボランティアの関わりだと感じています。
だから支援活動というよりも、あらたな関係づくりと言ったほうが私にはしっくりきます。

来週広野町で2回目のフォローアップがあるのですが、私は前日に入って、
保護者の皆さんとの交流会。
一緒にお酒も飲めるかもしれません。
楽しみにしています。

町長2

投稿者:柴崎 嘉寿隆

クエスト総合研究所代表取締役  JIPATTディレクター(Japan International Program of Art Therapy in Tokyo Director)、 NPO法人子ども未来研究所 理事長