柴崎 嘉寿隆ブログ「自分セラピー」

二十歳になりました~成人式を心理学的に考察

1月9日、全国的に新成人を祝う成人式が行われました。

成人式は奈良時代に始まった元服以来の日本独自の風習。
元服は15-6歳だったようですが、現在も18歳に引き下げる案が
浮上しているようですね。

さて、クエストも、アートセラピーの講座を始めて今年で20周年。
私たちも、成人式を迎えたわけです。

ところで、成人式では、きれいに着飾った若者のニュースだけでなく、
酒を飲んで暴れたり、壇上に登って妨害したり、と、毎年ニュースに
事欠きません。

なぜ、そんなことが起きてしまうのでしょうか。
「一生に一度しかない日なので、思い切りやらせてもらいます」と、
インタビューに答えている若者もいました。
お祭りのように楽しむのはいいのですが、度を過ぎると迷惑でしか
ありません。

ここで、心理学的な考察を。

河合隼雄先生は、このことについての考察をある本で記述しています。
20歳は、第1次反抗期(2~6歳くらい)の本番である、と。
つまり、幼い頃の反抗期は、予行練習という事でしょうか。

2歳から6歳までの子どもについて考えてみます。
このころの子供は、母子一体と呼ばれるママと自分の区別がつき
始めるころ。
つまり自我が芽生え育っていく時期ですね。
このころの親への反抗は、どんなことにも「いやいや」をすること。
思い通りにならない不満を、泣くことで訴えたりもします。
幼稚園や保育園、小学校と、周りの人間との関係性も新しく始まります。

こういった事と、学校生活からいよいよ社会に入っていく時期である、
20歳が重なるというわけです。母親と一緒にいることが「かっこ悪い」と
感じたり、社会に出ていく不安を覚えたり、権威に対して反抗的になったり
もする時期なのです。

そして幼い頃の反抗期に、十分に「反抗する」機会を与えられた子どもたちは、
その後に訪れる本番、つまり子どもから大人になる時期をスムースに超えていくと
言われます。

ところが、この時期に十分に反抗させない、あるいは「よい子」として
育ってしまうと、本番で「反抗」してしまう、そんな一つの象徴が、
あの成人式での「大騒ぎ」。
力が大きい分、幼児が「嫌々」をする程度では済まないというわけですね。

反抗期の子どもを育てるのは大変なエネルギーを使いますが、
十分に反抗させてい上げることも、子どもの健全な成長に抱えないと
いう事ですね。

なんであれ、新成人は、未来の日本を背負っていく大切な人材。
その自覚とともに、おおきな夢を描いて前進してほしいですね。

私たちも、夢を描き、成熟した大人として、これからも
「アートによる心のケアを通して健康な社会を創り出す」事に
専念していきます。

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投稿者:柴崎 嘉寿隆

クエスト総合研究所代表取締役  JIPATTディレクター(Japan International Program of Art Therapy in Tokyo Director)、 NPO法人子ども未来研究所 理事長