柴崎 嘉寿隆ブログ「自分セラピー」

何を信じればいいのか?

世界中が、新大統領の言動や動向に様々な反応を見せている。

「アメリカファースト!」という繰り返しの叫びは、
「自分さえよければ主義」を世界中に広めているようにも聞こえてくる。

もちろんこう言った考え方は、多くの日本人には歓迎されない。

一般的に欧米の考え方は、日本人には魅力的に映ることが多いような気がする。
ボクも若い頃は、「なんで自分は、アメリカ人に生まれなかったんだろう」と、
ぼやいていたことを思い出す。

でも、欧米と日本の決定的に違うところは、父性社会と母性社会という文化や
心理の構造の違い。

人との違いを尊重し、その違いに対して面と向かって議論できる欧米諸国と、
「みんなと一緒に」を重んじてきた日本人とは、ベースが違う。

欧米並みの「個性尊重」に魅力があるし、そこに傾きたくなるのだけれど、
個性を押し出すとまわりから浮いてしまう。
学校でも「個性を大切に」と言いながら、違うことをするのは許されない矛盾。

浮いてしまうのは欧米でも同じだろうけど、浮いてしまう事に繊細な日本人は、
そこで挫折するのです。

『嫌われる勇気』という書籍がベストセラーになって、ボクも読んで面白かった
記憶がある。

ボクもそんな生きかたができたらなぁ、とも思う。
でも、やっぱり文化が違うから、その通りにはなかなかいかない事が多すぎる。

信じる対象は何か。

ボクは君を信じる、のか?
ボクを信じてほしい、のか?
何を信じればいいのか?
誰に信じてほしいのか?
宗教を信じる、のか?
会社を信じる、のか?
自分を信じる、のか?

結局、ボクたちは「人智を超えた何かを信じる」事しかできないのではないだろうか。

それでは、その「人智」はどこからやってくるのか?

ユングは、それを無意識の世界に求めた。
つまり、外に見出す神々や、メンターや、尊敬する人に、ではなく、自分の心の中に。

じゃあ、心の中をどうやってそれを探していくのか。

簡単にはいかないから、面白い。
答えを簡単に見つけてしまっていたら、人類は滅びていただろうという哲学者もいる。

こんな逸話がある。

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神々が、人間を創り、一番最後に
「人間にとって最も大切なものを与えよう」ということになった。

でも、それを簡単に与えてしまっては人間のためにはならない。
どこかに隠して、それを自分たちの力で探させようとすることにした。

ある神は、
「奥深い海の底がいい」と言い、

ある神は
「山奥の洞穴の中」と言う。

しかし、もう一人の神が、こう言った。

「それは人間の心の奥に隠そう」と言った。

神々は、それに賛成した。
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だから、人生は面白い。

60をとうの昔に過ぎた自分の探求も、まだしばらくは続きそうだ。

まんだらぬりえ

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ユングは自分の無意識を探るのにアートを用いました。

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クエストアートセラピー学院長
柴崎千桂子監修

「心を整えるまんだら塗り絵」(エックスナレッジムック)
まんだら

投稿者:柴崎 嘉寿隆

クエスト総合研究所代表取締役  JIPATTディレクター(Japan International Program of Art Therapy in Tokyo Director)、 NPO法人子ども未来研究所 理事長