スタッフブログ「アートと暮らす」

大切な宝物

こんにちは。スタッフのYOKOです。

人間は時に宝物をすっかり忘れてしまう
生き物なのかもしれません。

どれだけ素敵な宝物か。。大切なことなのか。
自分と誰かに寂しい気持ちを味合わせないと
思い出せない。。愚か者

昨日パラパラと(って本のようですが)
以前のブログサイトを眺めていました。
そういえば、私はいったいいつからブログを
書いているのだろう?と。調べてみたら
2008-10-02でした。
もうそんな昔から書いてたのか。。
なんだか懐かしくもあり恥ずかしくもあり。。そして、
初めてワークをした時のブログ「はじめての出会い」
(恥ずかしい….

その後、とてもたくさんの現場を持たせていただき、
更には仲間を作りたい!と
シニア向け講師もさせて頂いています。

2008年から2017年の間に
私はどれだけのシニアのみなさんを
はじめ受講生や現場を一緒に作る仲間と
過ごしてきたでしょうか。
わたしはすっかり忘れていたことも
ブログの文字や写真はずっと
私のそばにいてくれていたようです。

 

「こっちに来て!」
招かれた女性の部屋。施設の味気ない真っ白の壁が
まるでキャンバスのように、春のお花、夏の水彩、
秋の落ち葉、いろんな色や形でイキイキと
その女性の
沢山の作品で彩られていました。
嬉しそうに話すその女性は私がアートの
先生という事もすっかり覚えてもいない。
だけど自分の作品を何度も何度も嬉しそうに。。

「頑張ろう!」
2011年3月18日 東日本大震災の後のワーク。
色や形を通して不安な気持ちをアートを通して
緩めながら咲いた大きなお花。
ワークの最後、最高齢の男性が、ゆっくりと
立ち上がりフロアに響き渡るほど大きな声で
一言「頑張ろう!」。
みんなが一つになった瞬間でした。。

「美術館見たいなのよ!」
疾病により筆を持つ手が震えてしまうけれど、
その人が出来る事を精一杯。

玄関からお部屋に向かうわずかな廊下の両壁には、
まるで美術館のようなのよ!と
ご家族が飾ってくれることをほんとにうれしそうに。。

発語ももう難しい。だけれども身振り手振りで、
ニコニコしながら教えてくださいました。

「つまらないわ!」
目の前で作品を捨てる方もいらっしゃいました。
大手保険会社で教育担当をされていた大正女性!
おどおどと怖がっていた私にはっきりと、
人と関わることについて
真正面から教えてくれました。

この女性がのちのち私の背中をどん!と
押してくださいました。

「あなたは人に教える仕事をしなさい!
目を見ればわかるのよ!」と。
今の私に繋がっているのです。

「皆勤賞なんだよ!」
通院で参加できなかった日が1日
「宿題出しておいてくださいね」
翌月は元気に「先生やったよ」と作品を手にして
井の一番に会場に。
生きる力づけになっているアートの時間。
気が付けばもう8年です。
8年継続皆勤賞!
そんな想いで参加される方がいる。

 

アートセラピーを勉強してみよう!
って思わなかったら
出来るかな。でもやってみたい・・・

その心の声に耳を澄まさなかったら
あじわう事のなかった人生です。

そうしてこれらの現場体験をブログを
通して伝えていくと
大勢のみなさんが
学びに来てくれました。

emma【エマおばあちゃん】
ウェンディ・ケッセルマン 文
バーバラ・クーニー 絵
もきかずこ訳 

エマおばあちゃんは一人暮らし
お孫さんからもらった絵を見ていたら、
エマおばあちゃんも自分で絵を描いてみたくなりました。

「あたしのおぼえているとおりのふるさとの絵をかこう」・・・。
いつの間にか家の中は、エマおばあちゃんの絵でいっぱいに。。

大切な仲間が私にくれた一冊の絵本
何度も何度も読みながら、私の中にあるシニアの
皆さんとの想い出がエマおばあちゃんが描くふるさとの
絵のように、一枚 また一枚と。。
わたしの心の中がシニアのみなさんと過ごした時間の
温かさでいっぱいに。。


多くを語らずにこの素敵な絵本と
優しい笑顔を私に届けてくれた。
ほんとうにありがとう。
いつもありがとう。

ページをめくりながら、
心の中で膝を抱えていた寂しん坊が

今温かさに包まれています。

 

************
高齢者に向けたアートの提供法も学べる
『アートワークセラピー講座』向け
無料講座説明会実施中です。

 

投稿者:yoko

シニアと幼児向けアートワークセラピストでレイキティーチャー。現場や日常での出会いを中心に、感じたことを 言の葉にしていきます。