しばさきニュースレター 2026年3月号

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啓蟄──動き出すもの、目覚めるもの
三月六日。
暦の上では「啓蟄(けいちつ)」。
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土の中で冬を越していた虫たちが、
そっと地上に顔を出す頃だといわれます。
まだ空気は冷たいのに、
地中ではすでに何かが動きはじめている。
人の心の中でも、
同じことが起きているのかもしれません。
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動いていないように見える時間
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冬のあいだ、
私たちはどこか静かに、
内側へと潜っています。
動きが少なくなる。
考えも重くなる。
感情も、どこか凍っているように感じることがある。
けれど心理学的に見ると、
「動いていない時間」は、
何も起きていない時間ではありません。
地中で芽が準備を進めるように、
無意識の層では、
統合や再編成が静かに進んでいます。
ユングは、
無意識を“豊かな地下世界”と表現しました。
地中に潜ることは、
停滞ではなく、成熟への過程なのかもしれません。
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目覚めは、派手ではない
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虫たちは、いきなり飛び出すわけではありません。
まずは、そっと。
同じように、
心の目覚めも劇的ではありません。
・最近、なぜか色が気になる
・理由はないけれど、描いてみたくなる
・言葉にならない何かが、内側で動く
それは、小さな啓蟄といえるでしょう。
アートセラピーでは、
この「言葉にならない動き」を大切にします。
意味を急がない。
解釈を急がない。
ただ、線や色として現れてくるものに、
静かに耳を澄ます。
すると不思議なことに、
自分でも知らなかった“芽”が見えてきます。
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芽吹きは、内側から起こる
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春になると、
外の世界はにぎやかになります。
新年度、新しい挑戦、新しい環境。
けれど本当の芽吹きは、
外から与えられるものではありません。
それは、
すでに内側にあったものが、
タイミングを迎えて現れるということ。
アートは、そのタイミングを待つ時間です。
描くことで、
自分の中の地下世界に触れる。
触れることで、
小さな動きに気づく。
それが、
あなた自身の啓蟄です。
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今、目覚めかけているものは?
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大きく変わらなくてもいい。
決意しなくてもいい。
ただ、
「何かが少し動いているかもしれない」
その感覚を、大切にする。
クエスト総合研究所では、
第2期アートセラピー・ファシリテーター認定講座が
5月に始まります。
アートと心理の学びは、
他者を支える力になると同時に、
自分自身の地下世界と向き合う時間でもあります。
春のはじまりに、
あなたの内側の啓蟄に、
少しだけ耳を澄ませてみませんか。
株式会社クエスト総合研究所
代表 柴﨑 嘉寿隆
