「人生の最終ステージであってその人らしく生きること、それを個性化の過程とよぶとすれば、心理職は、一人ひとりの個性化の過程を援助することが、なによりも重要な使命ではないか。そのためには、認知症の人とじっくりかかわる体験を重ね、「認知症であっても、人にはその人なりの個性化の過程が生じ得る」ということをケア提供者が深く信じ、その可能性に対して開かれていることが不可欠である。」
出典)「認知症と回想法」黒川由紀子著 金剛出版」
そこにいるだけでその人がしていることがある。
ただじぃーーーーーっとしているようだけれど、眼球は動き何かを見ていたり、指先をそっと動かし触れようとしていたり、平たんな口調がちょっとだけいつもより語尾が強くなったり。。来るといつも眠ってしまったり。。何もしていない人などはいなくて、その人がしていることがある。
その時のその人の特徴的な事。それをどう受け止めていくかで関わりは大きく変わってくるように思います。
せん妄が強く何かお経のようなものをぶつぶつと大きな声で唱えていた方がいた。もちろんグループからの嫌われものになっていた。だけれども私はその方をグループの中に入れてこう言った「〇〇さん声が大きくてお元気ですね!」と。そしてその他の方には「皆さんも〇〇さんに負けないくらい大きな声出していきましょ」
不思議と場はひとつになった。
その方は「活気を与える人」に変わった。 (Staff Y)