柴崎 嘉寿隆ブログ「自分セラピー」

桜木の幹

桜が満開になった。

目黒川の桜は、例年よりも、と言うよりも
桜の開花日よりもだいぶ遅れて満開となった。

ソメイヨシノは、クローンだと言われている通りに、
川ぞいの木々全てが一斉に咲き始める。

あの桜の花を、スマホで撮影しても、
なかなか見た通りには撮影できない。

なんだか、白っぽくなって、
あの淡く優しいピンクは写真には
納まってくれないようだ。

でも、その反面、黒々とした幹は
はっきりと撮影できる。

桜のあの淡い美しさは、
多分にあの黒々とした幹のお陰が
あるような気がする。

もしも、幹がもっと明るく茶色だったとしたら、
なんともぼやっとした花になってしまう。

それが、実際はあの幹の色。

あの、どす黒いともいえるほどの幹が、
まるで黒子のような役割をし、
淡いピンクの花びらを際立たせている。

この影の深さを、つい人生になぞらえてしまう。
影があるから光かがやく。

光を存在させるためには、影はなくてはならないもの。

人生を輝かせるには、
その後ろ側に見えない苦労や深い傷跡がある。

だからこそ、輝くのだ。

輝いた人生を生きているとしたら、
それを輝かせている影がそこにある。

そして今、人生に苦しんでいるとしても、
どこかで何かを輝かせている。

桜

投稿者:柴崎 嘉寿隆

クエスト総合研究所代表取締役  JIPATTディレクター(Japan International Program of Art Therapy in Tokyo Director)、 NPO法人子ども未来研究所 理事長