ROKUMOKUという木で作るスプーン工房が、伊豆にある。
木・林・森 と書くと木が6個あるのでロクモク。
なんだか、それだけで物語が見えてくる。
この工房の渦輪倫子さん。
スプーンを作るために、材料を得るのではないという。
HPのあいさつ文を読むだけで、この方のお人柄が伝わってくる。
http://spoon6moku.wix.com/rokumoku
病気になったミカンの木や、日当たりをよくするために切られた木。
そんな木に「お疲れさまでした」と声をかけ、その木でスプーンを作る。
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そういう木で出来たスプーンが美味しいプリンと一緒に出てきたら・・・
ちょっと楽しいでしょ?
そしたら、お散歩の途中に出会う、例えば椿の木に気づいてちょっと愛おしくなったり
季節になるとキレイな花を見せてくれたりする事に感謝できたり。
Rokumokuのスプーンがその小さなきっかけになったら、私にとっては大きな幸せです。
工房Rokumoku 渦輪倫子
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ボクの母親は、全身リウマチ。
ただでさえ関節がうまく曲がらないうえに、数年前に唯一曲げることが出来ていた右ひじを骨折。
それ以来、食事の時には自分で口元まで運べない。
誰かに食べさせてもらうか、箸と金属のフォークをガムテープでつなぎ合わせた、ながーい特製箸?フォーク?で何とか自分で口に運ぶかのどちらか。
人に食べさせてもらうのは、自分のペースで食べられないし、特製箸では、つなぎがガムテープで見た目は悪いし、あんまり衛生的でもない。
なんだか気になって仕方なかったのだけれど、ROKUMOKUのことを知って、ボクはすぐに、渦輪さんにメールをした。
それが今年の2月。
母親に木の柔らかな質感のスープンとフォークで、自分の手で食べられるように、
特別製のながーい木のスプーンとながーいフォークをお願いできますか? と。
そしたらすぐに、「 時間はかかるけれどもお作りしますよ 」、という快いお返事。
数か月が経って、それが先日、ようやく出来上がった。
それが、これ。
早く、母親に届けてあげなければ。
特別製の手作りスプーンとフォークです。
世界にたった一つの食器、きっと喜んでもらえる。