こんにちは。
2016年も後半に入りましたね。
今日は、この4月から週に一度アートセラピーをしに伺っている施設でお祭りがあり、お邪魔してきました。
いつもお会いする利用者さんや施設の方とお話ししながら、
「3か月前はこのどなたとも出会っていなかったのか!」と思うと、
不思議な気持ちになりました。
このお仕事は、たくさんの人と出会わせていただきます。
それも、ただすれ違うだけのような出会いではなく、
時に人生を共有させていただくような出会いです。
時々「人と向き合うとき、どんなことを意識しているの?」と聞かれますが、
普段のセッションなどでは、できるだけ無を心掛けます。
でも、大きなイメージとしては、私の中にこんなイメージがあります。
それは、「森」。
ひとりひとりに、それぞれ大きな深い森がある。
その森の中には、本人でさえ足を踏み入れたことがないような深い場所があり、
神聖な場所があり、
陽があたるところもあれば、
大きな木がたくさん生えていて日陰しかない場所もある。
地面をよく見てみるとみずみずしい苔が生えているかもしれないし、
あたたかい土があるかもしれない。
見たこともないような花や植物が植わっている場所もあるかもしれない。
ある時、その森の奥深いどこかで、
一本の老木が誰に見られることなく倒れたかもしれない。
耳を澄ませば、その倒れる音が聞こえるときもあるかもしれないし、どんなに澄ましても聞こえないかもしれない。
そんな「森」がひとりひとり、それぞれにありながら、
私たちは出会い、交流する。
もしかしたら、ある方の森から飛んできた蝶々が私の森で一休みすることもあるかもしれない。
また、私の森から植物の種が飛んでいくこともあるかもしれない。
そんな風に森同士が交流をしながら、お互い少しだけ影響を与え合い、森に変化が生まれていく。
そんなイメージがあります。
(もちろん、これは私の個人的なイメージで、「そういうものだ」というわけではありません)
もともと私は森が好きだからかもしれませんね。
そして、お互いに侵さない、神聖な場所があるからこそ、
尊厳をもって関わり合う。
だからといって、まったく他人事なわけではなく、
ほんの少し相手の森を垣間見せてもらいながら、
その先に広がる世界を想像してみたり、
同時に自分の森はどうだろう?とイメージしてみたり。
そして、この言葉ではとても言い得ない世界が、アートでは見事に表現されるのです。
もちろん、アートで描かれるのは「森」とは限りません。
いえ、むしろ「森」でないことの方が圧倒的に多いです。
ですが、そこには温度や空気感や、ニュアンスのようなもの。
その方にしか描けない世界があらわれてきて、
私は深い森を前にしたときのような神聖な気持ちになります。
アートセラピーの世界で描かれる「アート」は、
だから上手や下手は関係ないのです。
一本の線だって、その方の世界を感じるには十分です。
そして、こんな風にアート通じて出会わせていただける、
アートセラピーでの関わりは私の森をも育ててくれるのです。
mackey
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