先日のある土曜日のこと。
土日に自由になる時間が出来るのは、なんだかうれしいけれども、戸惑ってしまいます。
ここ数十年、土日には必ず何かしらの仕事を入れてきた身としては、あたらしい時間の過ごし方を学ばなければならない。
そこで、「そうだ映画を観よう」と思い、恵比寿ガーデンシネマの情報をネットで検索。
そこで見つけたのが、『 奇跡の教室~受け継ぐ者たちへ 』というフランス映画。
結論から言って、涙を流しながら外へ出て、そしたらぴあの取材を受けて、写真も撮られて、、、、、。どこかに紹介されているのかもしれません。
物語は、パリ郊外の高校で「本当に起こった奇跡のストーリー」という触れ込み。
ケンカ、先生をからかう、まさに学級崩壊状態で、学校から見放され、問題ばかり起こす彼らに忍耐強くかかわったアンヌ先生。
歴史の先生でもある彼女が、問題児たちに提案したのが全国歴史コンクールへの参加。
そんなことを言われても、退学寸前の状態の彼らが、そんな勉強したいはずもなく、初めはまったくまとまりもしない。
おまけに、そのコンクールのテーマは「アウシュビッツの大量虐殺」
壮大な、そして重いテーマの前に、彼らは「頭の悪い自分たちにはできっこない」、とか、「恥をかくだけだ」、とか、「なんのためにやるんだ」、とか、やる気を全く示さない。
そんな険悪の教室の雰囲気の中で、アンヌ先生はこう尋ねる。
「 あなたたちを信じているのは、私だけなの? 」
やがて、重たいテーマに取り組むうちに、ばらばらだった彼らが次第に心をひとつにして、その興味のなかったテーマに取り組み始める。
決定的だったのが、強制収容所の生存者を授業に招待した時のこと。
生き証人の淡々と語る話に引き込まれ、涙し、そして心動かされていく。
青年期を生きる若者たちは、方向性を見失っていることが多い。
そんな彼らが、「生きること」や「命」の真正面から向き合う事で、自分を生き始めていく。
でもよく考えてみると、日々の忙しさに私たち自身も自分を見失いかけていることはいくらでもある。
かつてフランスの若者たちのあった出来事、ではなくて、今の自分に重ねて観てしまう。
邦画タイトルには、サブタイトルがついている。
「受け継ぐ者たちへ」
今私が、若者たちに伝えていかなければならないことは何か。
アンヌ先生の忍耐強さと、人を信じる力。
人の人生に関わる仕事をしている身として、学ばなければならないことは尽きない。