しばさきニュースレター 2026年5月号

こころが燃え尽きてしまうということ
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連休明けに感じる、こころの重さ
ゴールデンウィークが終わったこの時期、
そんな感覚を、どこかで抱えている方もいるかもしれません。
やる気が出ない。
何となく気持ちが乗らない。
少し無気力な感じがする。
いわゆる「五月病」と呼ばれる状態も、
この時期によく見られます。
誰かのために使ってきたエネルギー
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私たちは日々、
自分のためだけではなく、
誰かのために。
何かの役割のために、
多くの時間とエネルギーを使っています。
仕事の中で。
家庭の中で。
人との関わりの中で。
それは、
意識しているかどうかに関わらず、
自然に行われていることです。
燃え尽きるとは「使い切った」ということ
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「燃え尽き症候群」という言葉は、もともと
心理支援や対人援助に関わる人たちの心の状態を表すものでした。
誰かのために関わり続ける中で、
自分でも気づかないうちにエネルギーを使い切って疲弊してしまう。
けれど今では、
それは特別な職業に限ったことではありません。
誰かのために動き続けるすべての人に、
起こりうる状態です。
燃え尽きるというのは、
「足りなくなった」のではなく、
「たくさん使ってきた」ということなのかもしれません。
連休のあとに訪れる“ゆるみ”
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4月からの新しい流れの中で、
私たちは知らず知らずのうちに、力を使っています。
そしてゴールデンウィークで、日頃のストレスを発散しようと、
いつも以上に張り切って過ごすこともあります。
それも自分のためだけでなく、
パートナーや家族に喜んでもらおうとして。
休日を目いっぱい使って過ごし、
そのあとに、緊張が一度ゆるむ。
すると、
・動けなくなる
・何もしたくない
・気持ちが空白のようになる
そんな状態があらわれることがあります。
それは崩れているのではなく、
張りつめていたものが、ほどけている状態です。
自分のための時間に戻る
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誰かのために使ってきた時間のあとに、
少しだけ、
自分のための時間に戻ること。
それが、この時期に必要なことかもしれません。
無理に元に戻ろうとするのではなく、
少し立ち止まる。
何も生み出さなくてもいい時間を持つ。
アートという自然な入口
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そんなとき、
アートはとても自然な入口になります。
日常の中ではなじみがないかもしれませんが、
やってみると、
心と体がゆるみ、
少しずつ整っていくような感覚を味わうことがあります。
うまく描く必要はありません。
意味を考える必要もありません。
ただ、手を動かす。
その時間の中で、
自分の内側に戻っていくことができます。
社会の中に広がるアートの力
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最近では、
アートセラピーという言葉を、
テレビドラマなどで目にする機会も増えてきました。
それは、単なる話題というよりも、
アートが、心と体を整えるための方法として、
少しずつ社会の中に理解されはじめている。
そんな流れを、
伝えてくれているようにも感じます。
私たちは、「生活にアートを!」という願いを
30年伝え続けてきました。
ようやく、その広がりが
目に見え始めてきたような気がします。
少しだけ、自分のほうへ
こころが燃え尽きてしまうということは、
何もなくなったのではなく、
誰かのために、何かのために、
ここまで力を使ってきた証です。
だからこそ今、
少しだけ自分のほうへ戻る時間を。
その時間は、
次に進むための静かな準備になります。
アートは、
その時間にやさしく寄り添う方法のひとつとして、
静かに、
そこにあります。
株式会社クエスト総合研究所
代表 柴﨑 嘉寿隆

