2023/8/29 Vol.41 自由画

箱庭療法の作品や自由画は、それを表現する人にとっては、感覚を通して体験された現実の情景をそのまま描写したものである場合も多いわけですが、多かれ少なかれ、その人の、その時の無意識的なムードを反映しています。それは、夢がさまざまな現実の体験的なイメージを組み合わせたもののようでいて、その背景に、深い無意識の世界のありさまを伝えるものであることと、同じような意味を持ってます。

(出典:ユング心理学へのいざない~内なる世界への旅~ 秋山さと子著 サイエンス社)

「最近のわたし」

そうお題をだされて描いた1枚

描いている最中に「・・・・??」とちょっとまとまらない感覚を持ちながら

結局まとまらない「人」を描いていました。

描画時間は10分くらいだったでしょうか。

(いったいなんじゃこりゃ?)

この日は柴崎千桂子先生とグループセッションのやり取りを受講生に見てもらう

授業内のデモ(ファシリテータコース)として絵を通して話をしました。

 

「何を描いたのか教えていただけますか?」の問いに

思わず口にしたのは

「幽体離脱」・・・!!

こんなものを描くつもりなど一切なければ、

幽体離脱なんて言葉を最初から準備もしていない。

でも描いたものをセラピストが持って、

自分から少し離して眺めてみたら

不意に思ってもみない言葉が飛び出した。

一番びっくりしたのはもちろん私自身でした。

 

幸い私には美術的に上手に描くための技術もなければ、

上手く描きたくてもそもそも絵心もセンスもありません。

だけれども、やはりアートを通して自分の内的世界の

探求について慣れ親しんでいることもあってか、

描き終えてから「むむむっ?」っていう意図しないものだったり、

「あれ?」とまた同じモチーフ出てきた何てことがよくあります。

 

この日のテーマは「最近のわたし」

これがアート表現がなく、言語だけのやりとりだったら

私は多分出来事を説明しているような気がします。

だけれども、アート表現の中には自分の内的な感覚も収められています。

「描いた1枚の絵」と「幽体離脱」の中には、実際ここのところなんだか

落ち着かない自分の様子が見事に表れていたのです。

 

アートセラピーではこの無意識から届いたイメージ(アート表現)に

問いかけ、寄り添い、ゆっくりと洞察をしていくことで、

こころの整理や解放、自己成長などに繋がっていく。

無意識には意識よりはるかに多くの自分を成長させるための

情報が詰まっっているという立場をとるのがユング心理学です。

 

私は何度もこうして自由画に助けられてきているように思います。

もちろんこの日、短いデモの時間だったけれど思わぬ気づきがありました。

それは「戦隊ヒーロー」です。ふふふ

Staff.Y