人が表現することは、何であれ美しいと思う。
アートも、文章も、書も、なにもかも。
でも、その究極は、自らのカラダなのかもしれない。
森山開次クンを紹介されたのは、もうかれこれ10年以上前。
ダンサーなのだけれども、表現者と言ったほうが、私にはしっくりくる。
演目の「KATANA」は、
2005年にニューヨーク・モントリオールにて発表され、ニューヨークタイムズで「驚異のダンサーによる驚くべきダンス」と評された作品。
昨晩、初日を迎えた「KATANA」を観てきました。
開次君は、初演の2005年に、10年後に再演することをずっと描き続けていたらしい。
年齢とともに肉体はわずかに変化する。
ダンスに向き合う精神は、さらに磨き抜かれ輝きを増していた。
暗転したステージから浮かび上がる森山開次は、どこか別の世界、いや別の次元から現れてきたかのようだった。
その動きのきめ細やかさはほんの一ミリずつしか動いていないかのようだし、丁寧な息遣いにも目を奪われる。
体の動きはなめらかでいて切れ味鋭い「KATANA」そのもの。
開次クンは、「見る人も大変な1時間余りの表現」というけれど、いつも舞台は眠気に勝てなくなる私が、すっかり見入ってしまった。
圧巻は、天から舞い降りてくる真っ赤な椿の花、花、花、花、、、、。
その中を泳ぐように舞う美しさは、幻想の世界に招かれたかのようでした。
開次クンの心の内をとおして表現されていくステージは、美しいという稚拙な言葉でしか伝えられないことが、悔しい。
機会のある方はぜひこのステージを!
「KATANA」