アートセラピーを活かした現場《高齢者編》

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待ち望んだこと
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私が長年アートセラピーを提供させて頂いている高齢者施設では
先週からはついに居室で60分の面会が再開となりました。

この時間をどれだけ待ち望んでいたことでしょうか。

誰もが我慢を強いられた長かった時間
そしてゆっくりゆっくり
我慢から解放されあの頃の日常に戻りつつある。

安堵と共に喜びに満ちていく。
今年の桜がいつもより早いのはそのせいかもしれませんね。

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あたたかい時間ですね
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先月ロビーのソファに座った女性がワークの様子をじっと見ていました。

ワークが終わった後に女性が私の方に寄ってこられてこう伝えてくださいました。

「あたたかい時間ですね。母がどんな時間を過ごしているのかわかりとてもうれしかったです。」

この女性はアートセラピーの時間に毎回されているSさんの娘さんでした。

こちらの施設では全フロア対象者別でワークを提供しています。

この日はSさんがいないフロアのワーク。

テーブルの様子、セラピストの関わり方、ご入居様の笑い声など
作品ではなく、「この場の雰囲気」から女性はアートセラピーの時間、
そしてその時間の中でお母さまがどんな様子で過ごされているのか
イメージが出来たようでした。

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評価のない場
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アートは作品が残ります。

だからどうしても「作品」の良しあしの方が伝わりやすいものです。
「きれいな作品」「上手な作品」
もちろんアートの技術向上を目的としたものであれば
その表現は適切かもしれません。

しかしアートセラピーのプログラムのねらいはそこではありません

色や形、素材の刺激そしてセラピストの関わりを通して
現われてくるその人らしさ
それが見える形になっていく

その人らしさ・・・そこに評価はそもそもないのです。

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アートセラピーの時間の能動性
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高齢になると身体機能・認知機能が加齢とともに低下し、
日常生活の行動範囲も徐々に狭まっていきます。

特に施設での生活になると、状況によっては受動的な時間が増えていきます。

だからこそ、本来持っているその人の「能動性」を刺激をしていく。

自分の手で触れていく 匂いを嗅ぐ しっかりと見る 音を聞く

それらの刺激を通して、目の前の素材や画材を使い
自然とその人しか表現出来ないものが可視化されいく。

その時間の中で私たちセラピストは過介入をせず
見守り、寄り添い、現れたアートへの問いかけをしながら
さらにその方がより能動的に表現出来る場をホールドしていきます

いつだったでしょうか。

「この時間はなんですか? 
 どうしてみんな意欲的に手を動かしているのですか?」

はじめて現場をご覧になった方の言葉でした。

私が担当している高齢者施設の平均年齢は93歳
とってもお元気でとってもユニーク
もちろん認知症の方もいらっしゃいます。
介護が必要な方もいらっしゃいます。

お一人お一人の表現は全く違い100人いたら100通り

『いつまでも自分らしく過ごす』

クエストの高齢者向けアートセラピーのビジョンであり、
これは私たち誰もが望む未来だと思って活動を続けています。


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資格を活かして、社会に貢献する。
クエストはそんな活動を応援しています。
ご興味ある方は、お気軽にお問い合わせください。